世界でいちばん深い海にはまだ誰も潜ったことがない

夫のイビキがうるさくて、
なかなか寝付けなかった夜。

とりとめもなく考え事をしているうちに、
恩師のことを思い出す。
今でも年賀状のやり取りをしている先生。

なのに、
お名前を思い出せない！

苗字は全く出てこない。
なのに何故か、
下の名前の、
最初の漢字だけ、
はっきりと思い出している。
苗字でしか呼んだ事ないのに。

そこまで出ている。
なんだっけ。
なんだっけ。
あと少しで思い出せそうなのに。

ああ、
イビキがうるさい！

私は寝る時、
最初は右向きにしているのだが、
左を向いて、
夫の枕をすこし持ち上げた。
イビキが止まる。

また右向きに戻る。
すると、
先生の苗字が、
ポン！と出てきた。
フルネーム全部、
思い出せた。

何それ。



人の名前が出てこない事は、
日常生活でよくある。

じゃあさ、
そんな時、
頭をごろんと動かせばいいのか？

あとちょっとで出そうなのだ。
頭を動かしたら、
出口の小さい穴に転がって、
それで出てくるのかも。

福引きの玉が出てくるみたいに。



だから今日の写真は、
四方吉のうどんと、
それにトッピングで追加した、
ごろん、
と転がって出てきそうな、
煮卵。




(C)世界でいちばん深い海にはまだ誰も潜ったことがない